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--ポートレート完全攻略--
第一部 ポートレートを構成するもの
フレーミング 45度がベスポジ アングル ピント位置 ボケをつくる
背景選び 明るさ レンズ まとめ

<MENU>

第二部
ポージング キャッチライト レンタルスタジオ 準備


※APS−Cサイズの35ミリ換算は1.6倍で計算しています。
※一部写真が開かない場合はF5キーで再度読み込んでください



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POINT 1

ポートレートフレーミング

フレーミングは写真の収め方

 映像や写真、絵画など、フレームのあるものはコレを避けて通れません。フレーミングの正確さは作品の質を左右します。一方で難しい理論を考えるよりフレーミングをきちんとするほうがはるかに楽に良いものになります。

 

言い切りポイント 無意識にできるようになること とにかく反復して慣れる

美しい作品は、
定型フレーミングから生まれる!


 ロングショット 全身ショット ニーショット 
 ウエストショット バストアップ  クローズアップ


フレーミングを個別にみていきましょう



ロングショット

<撮り方>
 背景にフレーミングです。その際は人物の大きさや振る舞いより、背景や風景に重点がある場合が多いです。

<考察>
◆風景写真のように見える。(風景写真のように見せる)
◆人物に主眼がなくてもよい。
◆人物写真でありながら、本筋は風景写真である。

全身ショット (フルショット)

<撮り方>
 頭からつま先までをフレームインします。つま先を切らない頭を切らない。かつ、4面の空間をバランスよくする。もちろん縦位置フレーミングです。
<考察>
◆人物の雰囲気を感じる。
◆身長や体型などのプロポーションが伝わりやすい。
◆手や足のスラッとした様子が伝わりやすい。

ニーショット

<撮り方>
 ひざから上がフレームインです。お洋服をきれいにみせることができるのでファッション誌などに多いフレーミングです。 

<考察>
◆可愛いお洋服だ。
◆セクシーな雰囲気があるんだ。
◆全身よりも表情を確認しやすくなる。

ウエストショット

<撮り方>
 ウエストのくびれからフレームインです。上半身の様子をバランスよく見せることができます。一般的にこのフレーミングを軸に撮影を進めます。
<考察>
◆上半身のプロポーションとお顔がバランスよく撮れる。
◆表情が撮れる。
◆一般的で失敗のないフレーミングです。

バストアップ

<撮り方>
 バストからフレームインです。お顔がハッキリと撮れます。ですから表情を印象的に撮ることができるフレーミングです。表情優先。

<考察>

◆ボディーラインを見せないことで表情に視線が集まる。
◆表情優先のとき。

クローズアップ

<撮り方>
 画面いっぱいに大きく撮るフレーミングです。表情を強く引き出すシーンが似合います。女性ポートレートの場合、目や指先のクローズアップショットが多く撮られています。なお本格的なクローズアップはマクロレンズが必要です。

<考察>
◆表情豊か。
◆感情移入を誘う。
◆本格マクロ撮影でパーツの美しさを撮る。



 5つのアングルを見てきました。

ポイントは2つです。
 ひとつ目は、人物フレーミングの場合、関節で切るです。例えば、ひざ、ひじ、腰などです。そのようにすれば自然なフレーミングとなります。
 
 ふたつ目は、ウエストショットを軸に撮影をするです。なぜなら、このウエストショットには見たいと思う部分がたくさん写ってるからです。

例えば(特に女性ポートレートの場合)
@ウエストのくびれ
Aバスト
B活きた手の表情
Cお顔、表情
と見ることができるからです。

 たくさんの要素を写真に詰め込むことで、見る側の関心や要求を満たすのです。見る側の見たい欲を満たすこと。これが良いポートレートの必須(あるいは考え方)になります。
 ちなみにフォーマルな撮影ならバストアップが軸になります。


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POINT 2

45度がベスポジ

右左の顔、どちら側を撮るか

 写真や映像、絵画では45度という角度をよく使います。45度という角度は物体を立体的に見せることができる角度です。ポートレートも立体的にとらえるべきです。そもそもが立体なわけですから。

 

言い切りポイント 真正面向きに撮らないこと 美しく撮る魔法の角度



真正面と45度写真の比較 @
ボディーラインの見え方に注目!


 
正面 45度付近

 約45度(おおまかに)で全身フレーミングです。真正面向きより、バストやヒップを立体的に見て取れます。何よりも自然な写りになっています。ちなみに建物や構造物はきれいな45度で撮ったほうがよいですが人物などはだいたい45度で構いません。


真正面と45度写真の比較 A
ラインはもちろん、お顔の向きにも注目!



正面の顔 角度を付けた顔

 約45度でウエストフレーミング(ウエストショット)です。真正面向きよりバストのラインがきれいにでています。また肩のラインもきれいに見て取れますね。正面より45度向きで撮ったほうがよいということの証明です。
 ※ここでの「45度」表記は「おおよそ45度」「おおまかに45度」の意味です。




 45度から撮るのは人物撮影に限らずあらゆる撮影で行われる常套手段です。
なぜ、そうするのか
 簡単に言えば奥行きを見せることができるからです。奥行きが見えれば人は立体的にみることができます。何よりも立体物を立体に撮るというあたりまえ的な考え方でもあります。
 とても簡単なことですよね。カメラと人物を正対させず、あなたが動くか動いてもらうかです。それだけでプロっぽいポートレートになります。

 ちなみに立体的に見せるには「正面」「側面」「上面」と3面見せると見る側は立体を感じることができます。逆に2面の場合、観る側からは立体を感じなくなります。


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POINT 3

アングルを変える

上下にカメラ視点を変えること

 カメラの高さのことです。人間が起立した状態の高さをアイレベルといいます。ローアングルは、アイレベルより低い視点でハイアングルとは、アイレベルより高い位置にカメラ視点がある場合です。

 

言い切りポイント 上下させるだけで写真は変わる 上から撮ればおさなく写る

上から撮る
ハイアングルではどう写るのか注目!



上目になる おさなく写る

 ポートレートでハイアングルを狙う理由は大きく2つです。
@上から撮るので自然な上目使いができる。
A不思議と幼く写る。   です。作例写真でもそのように写っていますね。



下から撮る
ローアングルではどう写るのか注目!



大人っぽく撮る 足長&小顔に撮る

 ポートレートでローアングルを狙う理由は大きく2つです。
@不思議と大人っぽく写る。
A足長小顔で写るです。 作例写真でもそのように写っていますね。
 ちなみにAはひとつテクニックが必要です。それは@40ミリ程度の弱広角 A下からあおるです。そのようにして撮ってください。




 上下にカメラの高さを変えて撮っていますか。

 うまいカメラマンはアングルを頻繁に調節して撮っています。
 一方であなたはいかがですか。カメラの高さを意識していますか。これはあなただけの話ではなく、カメラの高さを変えず撮り続けているフォトグラファーが多いように感じます。
 つまり地上高160〜170cmぐらいから撮った写真であふれかえっているということです。
 結論を書くと、隣人と違うアングルを模索し、埋没しないポートレートを撮るべきです。アングルを変える、それほど難しい話ではないですよね。


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POINT 4

ピント位置はどこ

自動選択AFではダメ!

 ピントの位置は目です。もし目にピントがないとピンボケに見えます。
難しいのではと思うかも知れませんがフォーカスロックでフレーミングを作り直せばよいのです。デジイチユーザーならできること。

 

言い切りポイント 目のあるモノは目にピント 目にピントがないとピンボケ

ピント位置比較
シャープ感に注目!



検討写真@ 検討写真A

 2枚の写真があります。どちらか一方は、目にピントがあり、一方は自動選択AFのため目にピントがありません。さて、どちらがシャープに見えますでしょうか。
 (Web圧縮で確認しにくいと思いますが)



では、正解発表です
分かりやすいように拡大してみました



検討写真@ 検討写真A

 目にピントがある写真は@の方です。髪の毛の描写でも違いが分かりますね。目にピントがあるほうが目元はもちろん髪もシャープです。
 一方で、自動選択AFは、目にピントがないのでシャープ感に乏しいということが分かります。
目にピントは絶対です。




 ピント位置は目

 美しいポートレートはピントの位置がカギです。ポイントは目にピントを合わせることです。
 なぜ、目なのでしょうか。それは上記の写真でも分かるとおり、目にピントがないとピンボケに見えるからです。目にていねいにピントを合わせたポートレートはそれだけでプロっぽい、よい写真になります。
 ちなみにこの話は被写界深度が関係しています。スマホなどの深い被写界深度ではなく、一眼カメラで撮られる浅い被写界深度での話になります。

詳細は下記


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POINT 5

ボケ感のつくり方

背景ボカしは人気のテクニック

 ボケ感のつくり方は4つのことを知る必要があります。この4つの足し算でボケ量が変化します。これを被写界深度と言います。被写界深度とはピントが合っている距離のことです。浅い被写界深度はボケ感が強くなります。

 


言い切りポイント コンデジやタブレットでは× デジイチならでは

ボケのつくり方
望遠+絞り値 が キーとなる



70ミリ F2.8 70ミリ F5.6

 背景ボケを狙うならまず、焦点距離50ミリ以上の望遠でさらに絞りF5.6以下が望ましいです。作例でも分かるとおりF5.6よりF2.8のほうが大きくボケていますね。F2.8にできないならF4はほしいです。


ちなみに
コンデジなら、この程度のボケ感


Canon PowerShot G9 Canon PowerShot G9

 コンデジやスマホのような小さなイメージセンサーで満足なボケ感を得ることはできません。背景ボケはデジイチの特権のようなものです。ボケ感が大きくなるのはフルサイズセンサー、APS-Cサイズ、次点でマイクロフォーサーズです。それ以下の小さなセンサーで満足のいくボケ感を表現することは無理です。(デジタル処理でボケ感を演出するものは光学のボケ感より質が劣ります)




  ボケ感のつくり方は当ホームページ「川名範幸のちょっといい写真が撮れるかも」のいたるところで書いています。デジイチのボケ感のつくり方はこのページで詳細に書いています。ご参考にどうぞ。

 さて、皆さまの中には、コンデジのボケ感はどうなんだということでここにたどり着いた方もおられると思います。コンデジでのボケ感は諦めてください。
 
 それより、デジイチ入門機+キットレンズで十二分ですのでデジイチを心からおすすめします。きれいなボケ感写真を簡単に撮ることができます。
 もちろんお勉強は必要ですが。


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POINT 6

背景も作品

背景を考えること

 いい写真とは背景がしっかりしているものです。たとえば絵画は背景を書き落とせば未完成扱いになります。それは写真も同じ。被写体だけを撮ればよいというわけではないです。

 


言い切りポイント 背景が悪いとどんな写真でも× 風景写真だと思うこと


背景がきちんとしている写真
それだけで完成度が上がるよ!


街中などの建物背景 公園などの新緑背景

  人物だけ撮れればよいということではありません。写真は「被写体」+「背景」でできています。
 よい背景を得るためにロケハンもするし、遠くへ出かけることもあります。背景がよい写真はそれだけでよいポートレートになります。作例からも分かります。


みなさん、手順が逆ですよ!
先に背景を決めてから人物に入って
もらうのが正しい順番です。


@ まず、背景を探す A 決めた背景に人物を入れる

  一般的に人物を先に入れて撮るという手順になると思いますが、実は逆です。先に背景を決めてから人物を入れる。これが正しい手順です。




 背景を忘れていませんか

 ポートレートに限らず写真は「被写体」+「背景」でできています。「背景」をおろそかにした写真はよい評価を得ることが難しいです。
 
 それが前提ですがポートレートの場合、先に人物に立ってもらうと背景が決めづらくなります。それより、先に背景を決めてそこに人物を入れるほうがはるかに優れたポートレートになります。
 
 その背景ですが、背景=完成した風景写真のことです。つまり人物写真は、人物を撮る能力と風景写真を撮る能力、両方必要になります。人物写真を目指すと同時に風景写真の腕も磨いてください。


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POINT 7

明るさの話

肌の明るさが基準

 一般的な写真はカメラ露出計で適性露出が求められます。しかし、ポートレートの露出は違います。ポートレートの露出は再現される肌の明るさが基準なのです。カメラの露出計は無視してください。

 


言い切りポイント ポートレートの露出は肌で決める 女性は明るめが喜ばれる

失敗やダメという話ではなく、
好みの「肌の明るさ」を見つけること。


   
   

明るさの話
暗くすれば………色っぽく
明るくすれば……元気よく
がそれぞれ表現できる


暗く撮る 明るく撮る

   暗めに撮れば肌の質感など描写できるため色っぽくなります。
 明るめに撮れば肌の質感などは白く飛びますが元気なイメージになります。
 女性は美白肌になるので明るめに撮ると喜ばれます。ただその判断はカメラマンであるあなたが決めてください。




 ポートレートの露出

 ポートレート特有の考え方です。ポートレートの場合、基準とするのは肌のトーンです。肌のトーンを好みで合わせます。これがポートレートの露出です。
 例えば、女性の場合、明るめの肌(肌のトーンが明るい)が喜ばれますし健康的にも写るためそのような露出で撮る場合が多いです。さらにしわなども白く飛ぶので若く写るようです。
 一方で男性の場合は美白というよりは渋めのトーンが好まれます。つまり暗めに撮って肌のトーンを落とします。そうして撮られた男性ポートレートは渋くなります。
 子供の場合は、男女関係なく明るめの肌トーンに調整する場合がほぼです。
 このように肌のトーンを基準に露出を決めます。



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POINT 8

ライティング

太陽光の位置を確認

 ライティングは人工光のみならず太陽光も含みます。ここでは一般的に向き合う3つの光線について書いています。光の当たり方ひとつで大きく変化することを学んでいきましょう。

 


言い切りポイント 逆光や斜光、日陰が向く 順光はあまり使わない

光の当たり方に注目!
ちなみに、日陰は曇り空でも可



 順光 逆光 (露出補正+1) 日陰 


では、
光線別にみていきましょう


順光

<光線の状態>
カメラマンの背後に太陽がある状態。
ハッキリ、クッキリ写る。
青空をより青く撮ることができる。

<ポートレートの場合>
 順光はあまり使いません。太陽がまぶしくてモデルさんは目が開けにくくなります。
 基本的に影は出ませんが、出た場合は濃い影が出るのでそこもポートレートには向きません。

逆光

<光線の状態>
カメラマンの前に太陽がある状態。
物体の輪郭が光輝く。反射がある。ツヤがでる。
水面がキラキラする。

ポートレートの定番です。(半逆光も含)
 髪にハイライトが入り美しくなります。ただアンダー露出になります。よって最初から+1段ぐらいの露出補正が必要です。さらにレフ板を使うともっときれいなポートレートになります。

日陰

<光線の状態>
直接光がない状態。
影もなくフラット(柔らかい)な写りになる。
曇り空や室内の間接照明でも同じ効果。

ポートレートの定番です。
 この光線は直接光がないので無駄な影がでません。写真を汚す犯人は無駄な影です。その無駄な影が出ないので露出さえ間違えなければ美しいポートレートになります。



 光を読む

 ポートレートに限らず写真や映像、絵画のすべては光による演出をしています。光を置き忘れることはしません。作品にとってとても必要な要素だからです。
 ポートレートの場合、使う光線は主に3つです。

@逆光、半逆光
 この光線の特徴は反射やつやが出る光線です。それを活かすわけです。逆に言えばこの光線でないと反射や、つやは出ません。さて、実際にやってみると人物がドアンダー露出になります。そのまま撮れば失敗です。ですから露出補正を必ずしてください。できるならレフ板とセットです。

A日陰、間接光
 写真を汚す原因は無駄な影(ごちゃごちゃな影)です。この光線の場合、影が出ないか、出ても非常に柔らかい影になります。写真を汚すものが出ないので明るささえ失敗しなければ美しいポートレートになります。

B斜光
 ここでは触れませんが、太陽光で斜光をつくるのは難しいので省略しています。この斜光はスタジオのような人工光ライティングのほうがつくりやすいです。ポートレートの定番です。


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POINT 9

ポートレートレンズ

どんなレンズでも使えるが

 ここで紹介するレンズは背景ボケが簡単につくれ、扱いやすい画角があるレンズです。また、リーズナブルという切り口からも以下の単焦点レンズがおすすめです。




言い切りポイント 大口径望遠系 単焦点がリーズナブル

ポートレートに効くレンズは
単焦点レンズ
50ミリF1.4 アンド 85ミリF1.4 がおすすめ

※注 作例はフルサイズ機で撮っています。


レンズ/50mmF1.4 撮影時絞りF2.2 レンズ/SIGMA 85mmF1.4 撮影時絞りF1.4

 焦点距離50ミリと85ミリの2本セットでポートレートは完了します。作例でも、引きの絵からアップ撮影まで、たった2本でいけそうな写りになっていますね。ポートレートの場合たくさんの焦点距離は必要ありません。それよりボケ感が強いレンズや扱いやすい画角がメインレンズになります。
※APS-Cサイズは 35ミリF2 50ミリF1.4 の2セットになります。(要35mm判換算のため)


室内やスタジオでは
明るい単焦点レンズが活躍
50ミリF1.4がとてもキレイ

※注 作例はフルサイズ機で撮っています。
※注 APS-C機なら 35ミリF2をチョイス



レンズ/50mmF1.4 撮影時絞り F2 レンズ/50mmF1.4 撮影時絞り F1.4

  大口径単焦点レンズなら室内や蛍光灯照明のスタジオでも威力を発揮します。さらに、50ミリ(35mm)なら室内でも振り回せる画角があります。グッと寄れば望遠レンズのようにも使えます。
※APS-Cサイズは 35ミリF2 50ミリF1.4 の2セットになります。
35mm判換算で35mmは50ミリ相当 50ミリは80ミリ相当になります)


APS-Cの単焦点の場合
焦点距離×1.6(1.5)倍で計算します。
35ミリF2 & 50ミリF1.4 がお勧め!


 想定写真
レンズ35mmF2 なら50ミリF2 相当になる。 レンズ50mmF1.4 なら80ミリF1.4 相当になる。

  APS−Cの場合、×1.6倍(キヤノン) ×1.5倍(キヤノン以外)で計算してください。50ミリ単焦点なら、50ミリ×1.6倍=80ミリ相当、という計算です。APS−C以外は掛け算の値が違いますが、取扱説明書には必ず35ミリ換算と載っていますので。お使いのカメラの取扱説明書をご確認ください



 ポートレートレンズ、実はそんなカテゴリーのレンズはないです。

 ごめんなさい。ポートレートレンズなんてありません。ただ、50ミリと80ミリの短焦点レンズ2セットがとてもポートレートに向くので俗的にそう言われるわけです。
 APS-C機の場合は35ミリと50ミリの短焦点2セットにあたります。少なくともF2以下F1.4クラスがよいです。F1.2クラスは割高になるので。

 さて、ポートレートの場合この2本のレンズで完了します。あとは「露出」「太陽光の位置」「背景」「フレーミング」「アングル」「モデルさんのポーズ」などに要点があります。何度も書きますが、モデルさんだけを撮ればいいわけではないですよ。ポートレートは総合力が求められます。


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POINT 10

まとめ

とりあえず4つをやってみる

 この4つを実行するだけで絶品ポートレートは撮れます。@フレーミングA向きBアングルC光線です。即効性はありますが単調になります。後々、ポートレートに必要な知識はきちんとお勉強してください。

 


言い切りポイント とにかくこの4つをやる 難しいことは後回しで!

即席ポートレート とにかくやってみる!


 ケース@

@フレーミング 「ニーショット」

A向き 体は45度向き。
      顔は右面をやや多くみせる。

Bアングル 「ハイアングル」

C光線 「順光」

 ケースA

@フレーミング 「全身ショット」

A向き
    体は45度向き。
    顔は動きの中でラフに。

Bアングル 「ローアングル」

C光線 「斜光ぎみ」

プラスα
◆40ミリ広角 ◆露出+1
 広角で下から撮る理由は、足長、手長、小顔を狙うため。

 ケースB

@フレーミング 「ウエストショット」

A向き
      体は45度向き。
      顔は上を向いてもらった。

Bアングル 「ハイアングル」

C光線 「斜光ぎみ」
--------------------
プラスα
◆背景ボケ◆露出+1〜2

 ケースC

@フレーミング 「ロングショット」

A向き
      体は45度向き。
      顔は自然な振る舞い
かしげの強弱、方向別も撮っておく。

Bアングル 「ローアングル」
あおらないこと。

C光線 「半逆光」+「薄曇り」
--------------------
プラスα
◆背景見せ ◆露出+1
ロングですので背景をきちんと見せないと意味がありません。よってある程度絞る。  




  お急ぎの方、あるいは初めての人物写真の方のための特効薬です。この4つを実行するだけでそれらしいポートレートになります。もちろん写真的な色々な知識は必要ですが。ここでひとつ大事なこと書いておきます。

 ポートレート撮影は写真の総合力が求められます。人物写真だけを学び、人物写真のスペシャリストになる、というのは無理な話です。

 人物写真、風景写真、雑貨撮影、動物写真、マクロ撮影、鉄道写真、建築写真など色々なカテゴリーはありますが、まずは写真撮影に関する基礎知識をしっかりと身に付けるべきです。そこを完璧にしてから専門分野に進むべきです。

 人物写真は専門分野です。基礎知識をマスターせずに専門分野のことをやってもどこかで必ず頭打ちします。


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 第二部


POINT 11 

ポージング

ポーズには定型がある

 ポートレートのポーズには定型があります。まずこの定型ポーズを覚えることから始めます。モデルさんにうまく伝えられるようにトレーニングをします。

 


言い切りポイント 撮影テンポを崩さない 自然に流していく


ポージングの種類



 全身 全身アップ 中腰 
 しゃがみ 座り  座りアップ

   
 うつぶせ 仰向け


個別に
ポージングの種類



全身

<カメラの設定や撮り方>
焦点40〜50ミリでしゃがんで撮る。絞りF5.6あたり。ボケがほしいなら85ミリF2.8。撮影モードはAの絞り優先で。
<写真考察>

撮り始めです。お互いに緊張しているので、近すぎず遠すぎずな距離感がウォーミングアップにちょうどいい。動きを加えてお互いの緊張をほぐそう。

全身アップ

<カメラの設定や撮り方>
カメラの設定は変えない。しゃがんだ状態から立ち上がる。カメラの高さはモデルさんの胸の位置と平行に。
<写真考察>

お互いに慣れてきたら、立ちポーズのアップカットを撮っていきます。お顔の表情や手の動きも見せて行こう。よくなってきたら全身ショットに戻っても構いません。この全身とアップがワンセットです。

中腰

<カメラの設定や撮り方>
カメラの設定は変えない。85は50ミリに換装。F2.8のボケを使いたい。背伸び、かがみとアングルを変える。
<写真考察>
 
基本的には、全身アップの変形といったところ。ポーズ自体もあまりない。レースクイーンのお姉さん方が得意なポージングといったところ。撮る側もアングルなど作風にこだわる。


しゃがみ

<カメラの設定や撮り方>
カメラの設定は変えない。ここで大事な注意、50ミリ以下の広角では撮らない。頭でっかちになるので。
<写真考察>

立ちの全身、アップとノッてきたら、しゃがみへ移行です。ここでは自然に上目遣いとなるので、とびっきり可愛い表情を狙おう。ポーズ自体はあまりありません。アングルの高さも要調節。

座り

<カメラの設定や撮り方>
カメラの設定は40ミリなどのチョイ広角。手長足長小顔に撮れるから。足元からなめるように撮る。
<写真考察>

さて、ここまで十分な時間をかけたら、今度は座れる場所をみつけよう。休憩中のようなリラックスした表情やポーズで自然なカットが撮れるはず。手長足長小顔はチョイ広角で下からあおって撮ること。

座りアップ

<カメラの設定や撮り方>
カメラの設定は80付近の望遠側を使って、大ボカシを狙ったり、アングルを工夫したりと作風にこだわる。
<写真考察>

座りのアップを普通に撮ると、全身のアップカットと同じになる。それは意味がないので、ニーで撮ったり、ハイアングルで撮ったりとグルグル動いて撮ろう。モデルさんも安定しているので大ボカシでシビアにピントを追い込むのもGood。。


室内ポージング
レンタルスタジオやプライベートな空間で



うつぶせ

<カメラの設定や撮り方>
室内は50ミリ単焦点が便利。ズームならF2.8が使えないとちょっとつらい。カメラ直のストロボは使わない。
<写真考察>

屋外は公共の場なので、一般的なポーズがメインです。しかし、ここではプライベート感ならではのポーズがよいでしょう。うつ伏せまさにプライベートな一枚です。

仰向け

<撮り方>
カメラの設定は変えない。50ミリか40ミリでもいい。F5.6などある程度絞ったほうが室内はいい。
<写真考察>

仰向けは最後に撮ります。なぜなら、仰向けは髪型の崩れ、服のシワなどが入るため最後にします。また、仰向けはポーズが少ないが、とっておきの一枚が撮れるカット。服の乱れ、髪の乱れなど細部まで手直ししてカッチリ撮ろう。



 私たちプロカメラマンはやみくもに、あるいは思いつきでポーズをつけているわけではありません。
ポーズにもきちんと意味があります。ここではポーズのひとつひとつの解説はしませんが、セオリーがあるんだとご理解ください。
そして、そのポーズですが、ざっくりと分類していて、撮影の順番も大体決まっています。

<撮る順番>
@全身ショット
A全身ショットのアップ
B中腰のポーズ 
Cしゃがみポーズ
D座りの全身ショット
E座りのアップショット
-------屋外はここまで-----
----室内なら----
Eイスやソファーを使った座りポーズ
Fラグマットを敷いて、仰向け、うつ伏せのポーズ

となります。





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POINT 12

キャッチライト

瞳の中の光の粒

 レフ板やストロボを使って入れます。発光面積が大きくないとキャッチライトはうまく入りません。

 


言い切りポイント なくてはならない レフ板で入れたりする


キャッチライトの有無を確認
瞳に注目!


キャッチライトあり キャッチライトなし

  瞳の中に光の粒が確認できると思います。これがキャッチライトと呼ばれるものです。なしと比較すると、表情が活きたり、目力が出たりします。キャッチライトの有無は肉眼で確認できます。弱い場合は、光量を増すか、発光面積を増やしてください。


キャッチライトの有無を確認
屋外でも自然に入る 


キャッチライトあり キャッチライトなし

  レフ板で入れるのがお勧めですが、補助をしてくれる人がいない場合も多いですよね。そのときは明るい場所、白いものの近くで撮影をしてください。自然に入るキャッチライトもあります。これも肉眼で確認できます。



 キャッチライトを入れていますか?

 キャッチライトとは、瞳の中に光の反射を写り込ませることです。これはレフ板を使います。レフ板とは、銀もしくは白の反射素材を用いて、陰に光を当てたり、キャッチライトを入れたりするときに使う撮影用品です。

 一昔前のポートレートではレフ板を用いて強制的にキャッチライトを入れていましたが、自然に入るキャッチライトもあり現在では無理にレフを使うことは少なくなりました。また、キャッチライトの有無は撮影時に目視で確認できます。

 なぜ、キャッチライトを入れるのか?それはあるほうがいきいきとした表情で写るからです。その効果は一目瞭然です。

プロ技ですが、こちらはかなり一般的になりましたね。レフ板やストロボを使って入れます。
注意ですが、発光面積が大きくないとキャッチライトはうまく入りません。クリップオンストロボほどの発光面積では難しいです。
注意2は、発光強度です。弱い光はうまくキャッチが入りません。強い反射光やストロボ程度の発光量が必要です。




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POINT 13

レンタルスタジオ

リーズナブルで敷居も低い

 写真レンタルスタジオは利用したことありますか?まだという方、ぜひ一度はトライしてみてください。

 

言い切りポイント 天候、気温に左右されない 快適撮影


写真レンタルスタジオを利用する


レンタル撮影スタジオ atelier Rara
http://rara.jpn.com/index.html

osaka city and toyonaka city



 写真レンタルスタジオを使ったことはありますか?

 写真レンタルスタジオの魅力はたくさんあります。まずは気温天候に左右されないこと。雨でも関係ないので、予定が立てやすいですよね。それに気温の問題も大きいです。夏場の暑い日なら、屋外で30分ともたないときもあります。一方で、冬場も同じです。ガタガタと寒さに耐えながらの撮影は笑顔も出ません。
 次いで、重い荷物を持ち歩かないで済む。トイレに困らない。食事もスタジオで済ませられる。背景(シチュエーション)選びが楽ということも。そして、コレもあげておきたい。それは、室内なので、人目がないこと。屋外は公共スペースなので、占有もできませんし人目に付くものです。
 それを解消するには室内で撮るべきですよね。また、男性カメラマンにはうれしい、いろいろな衣装で撮影ができるのもスタジオならではです。
 
 という具合に、よいこと尽くめなスタジオ撮影です。なぜ利用しないのですか、と逆に質問したくなるぐらいです。ひょっとして敷居が高いと思われているかもしれませんね。ホームページを出して宣伝しているレンタルスタジオは100%一般利用OKなスタジオです。もちろん商用でも利用しますが。
 一般利用を想定していますので、敷居が高いというのは思い込みかも知れませんね。


写真レンタルスタジオを利用した
写真を見てみよう!
撮影場所  atelier Rara (大阪市内・豊中)
備考    蛍光灯タイプの照明機材



ライティングが可能 多様なシチュエーション

  大阪圏にお住まいなら、アトリエララがお勧めです。なんと言ってもリーズナブルな料金。それでいて不足を感じることのないレンタル写真スタジオです。照明が蛍光灯なので露出計いらず、電気スタンドのスイッチを入れるだけで使える。


ホワイトルーム ホワイトルーム

  アトリエララのホワイトルームです。私たちプロでは、「白ホリ」と言われるスタジオで、一面白い空間なので、光がよく回り込み、誰が撮っても、どう撮っても美しく撮れる場所なんです。プロも使うホワイト仕様のスタジオもせひ



写真レンタルスタジオを利用した
写真を見てみよう!

撮影場所  ホイップクリーム (大阪日本橋)
備考    モノブロックタイプの照明機材


豊富な壁紙 豊富な壁紙

  ここのスタジオはモノブロックのストロボです。一発の光量がたいへん大きいのでハイライトを入れやすいです。ただし、フラッシュメーターがいりますので、それまでにフラッシュメーターの扱いに慣れておくことです。


ラグマット敷いて撮影 個性的なブラックルーム

  ラグマットを完備して頂いているスタジオは多いです。ラグマットはゴロンと出来るのでポージングの幅は広がります。また、このホイップスタジオには個性的なブラックルームがあります。





川名が勝手にお勧めするフラッシュメーター

 

株式会社COMET

プロユースなストロボ機材老舗メーカーです。
私たちプロカメラマンから絶大に信頼を寄せるメーカーでもあります。

コメット フラッシュメーター EX-1
実勢価格2万円台 

http://www.comet-net.co.jp


お勧めの理由

@ボタン類が少なく、直感でも操作できるほどの簡単さ
A必要最小限の機能、とはいえ不足部分なし
Bなので低価格
C高価なメーター類と変わらない測光精度と品質


 写真レンタルスタジオは利用したことありますか?まだという方、ぜひ一度はトライしてみてください。
ちなみに、写真レンタルスタジオで検索してください。全国にたくさんあることが分かると思います。
皆さんの心配はモノブロックストロボの扱いかも知れませんが、難しいと思うなら蛍光灯タイプの照明を選んでください。

<写真用レンタルスタジオ 追記>

 用途に合わせてほんとうに多種多様なスタジオが用意されています。もし、ストロボ撮影に自信がなければオール天然光で撮影ができるスタジオもあるし、部屋ではなくて屋外のスペースを借りるタイプもあります。また、蛍光灯照明を常備するスタジオも多く、蛍光灯照明は定常光ですので、メーターで計る必要もなく、普段どおり撮影が可能です。こうなってくると、気軽に、カメラとレンズだけでふらっと行くことができますね。ただし、基本的には要予約です。当日ありもやっていますが、予約のほうが割引もあり便利です。

 あと、心配ごとと言えば、大きなストロボの扱いですよね。難しければ、蛍光灯タイプを用意してもらえば済みます。とは言っても、電源スイッチと、出力調整(バリエーター)の2つが分かれば誰でも扱えます。プラス、ストロボ同調用の端子がカメラにあること。一眼レフである以上基本的な装備ですが、コンデジ、安価すぎるデジ一、入門デジ一には無い場合があるので仕様書でチェックしてください。

 注意事項はひとつだけ、ストロボなどのスタンドは非常に倒れやすいです。コードも引っ掛けることでしょう。絶対に慌てない、動作は確実に慎重に。ひっぱらない、力をかけない。スタンドを不要に触らないこと。大人なら普通にできることです。



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POINT 14

撮影当日までの準備

ロケハンから始まっている

 ポートレートの場合、必ず相手がいます。ですので相手のために準備をするべきです。

 




ロケーションの情報収集

 インターネットで情報収集です。商業地などは撮影許可がいる場合が多いので、大きな都市公園などが良いかも知れません。人が多すぎるのも×

 アクセスのしやすさ、周辺で食事ができるか、トイレや休憩の情報も大切です。そして何より撮影したいポイントがあるのか、何箇所くらいか予想するのも大切です。



イメージやポージングのリサーチ

 インターネットで情報を集めます。自分は何が撮りたいのか固めましょう。例えば、元気さ、可愛い、萌、かっこいい、スタイリッシュななどです。

 ネットが無かったころはファッション誌などの雑誌や本からポージングなどの情報を集めたものです。もちろん現在でも有効な手段です。イメージを固めよう。



実際に訪れる

 可能なら実際に行こう。カメラを持って、「モデルがいる」というシュミレーション撮影をしよう。これで、撮影ポイント、可能なポーズ、背景の処理など得られる情報は計り知れない。

 写真レンタルスタジオを考えているなら、一度行ってみるのも良いでしょう。ただし、見学できるかどうかはその店によりますが、下見しないより、したほうが良いに決まっています。



必要な機材を選ぶ

 場所、撮影イメージが固まれば、必要な撮影機材は見えてきます。なるべくコンパクトにまとめよう。いらないものは持っていかない。

 機材を選ばなかったらこうなります。荷物の山ですね。機動力は奪われ、体力が奪われ、いつしか気力も奪われ、それが失敗なんです。



打ち合わせ

 お膳立てはすべて終わりました。ここで工程表を作ろう。タイムスケジュールから、休憩時間、食事場所、終了時間、細かく決めます。また、ほしいイメージも書き留めれば、まさに台本の出来上がりです。

 撮る前に、モデルさんと打ち合わせをします。作っておいた工程表を見せながら、意思統一をしておきましょう。これでモデルさんも動きやすくなると思います。



進行はカメラマンがする

 カメラマンがリーダーです。進行、気配り、転換、すべてしきってください。これでモデルさんも任せられるという安心感のもと気持ちよく撮影ができます。

 複数で撮影する場合もモデルさんのみならず、お手伝いをして下さるお友達にもきちんと指示をして楽しくできるように気を配ります。嫌なムードではモデルさんにも伝わります。楽しいムードも伝わります。



モデルさんを一番に考えること

 嫌なムード、楽しいムードは伝わるものです。いきいきと可愛らしく撮りたいとおもうなら、自らがムードメーカーになることです。また、室内なら、目の前に姿見を配置するなど気配りも大切です

 屋外は人目も気になるものです。まして通行の邪魔になってはモデルさんの表情も活きてくるわけありません。人のいない場所を選ぶ、周囲への配慮、モラルを見せることも撮影ムードが良くなります。




 ポートレートの場合、必ず相手がいます。ですので相手さんのために準備をするべきです。そう考えると準備も
楽しくなるはずです。また、私たちプロカメラマンでも準備をしないなんてヒトはいません。
すべての手順を守る必要はありませんがご参考にどうぞ。

ポートレートを成功させるために

@ロケーション選び

A可能なら事前に予定地を視察
込み具合、広さ、撮影許可の可否など

Bどう撮るのか、何を撮るのかをイメージを決める
イメージやポージングをリサーチ


Cそれらに似合う機材をチョイス

Dできれば台本の作成
(全体のプランを構築)

E台本を使ってモデルさんと打ち合わせ

F天候、気温、風速などをチェック

G撮影へ



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POINT difference 

ポーズ付けの手順

下から付けるといい



ポージングの手順教えます

ポーズは下から作っていくと上手くいきます
現場で培った川名流のポージング術を伝授したいと思います。

ポートレート撮影のカメラマンさんもモデルの皆さまも必読です。

はじめに

 プロのモデルさんは素敵ですよね、だって、現場経験が豊富だし、レッスンを受けているおかげでプロ技を簡単にこなしてくれるし。なんといってもこちらから指示しなくても、素早く一瞬でポーズを決めます。しかし、私たち皆が経験豊富ってわけではないですよね。経験が浅いためうまくポージングができない、でもグラビアっぽい本格的な写真が撮りたい。そう思うなら、ポーズを分解して建設的に作っていくことをお勧めします。

 図のように、3ブロックに区切り、下から上へと組み立てていくことが、私の経験上しやすいです。
 
 足をまず決めて、決まれば足をロックします。上半身を作ります。完成すればロックします。そうやって3ブロックすべてに手が入りポージングは完成します。
 また、ポージングは筋という筋を伸ばし、関節という関節を動かしロックしていくというとっても痛くつらいものです。(厳しいですが痛くないポージングはどこかに甘えがある)

 ですから、素早さが命、ポージングは1分以内に完成させましょう。撮影は4カットほど素早く撮り、速やかにポージングを解除しましょう。




 スタート  @足をつくる  A上半身、ウエスト周りをつくる
     

<Check>
 立ちポーズについて手順を追います。その際、カメラマンはどこに注意してるかを「Check」マークで表しました。

<フレームチェック>
 フレーミングにも注視しています。その際、どこを見てるか「Check」マークしています。


<モデルさんへ配慮>
 

 配慮点を書いています。モデルさんの視点に立つこともカメラマンの大切な役割です。
 またすべてのモデルさんが体が柔らかいわけではありませんので無理は厳禁です。

<Check>
 
 つま先はカメラに向かってピンと伸ばすこと。これはつま先まで足とみえるため足長に写る。足ポーズは数多くないけど綺麗な立ち姿の元点。
<フレームチェック>
つま先からわずかに地面を感じさせるくらい開ける。、頭上はゲンコツ1コ〜2コが良い。<モデルさんへ配慮>
 
 まず、足に集中してもらう。つま先ピンを維持するには足全体を強張らせる。けっこうきついです。
 バランスは自然に付いた姿勢がべスト。足が決まれば動かぬよう足をロックする。

<Check>
 足を動かさないで、上半身を45度にひねってもらう。ウエストをひねることで、くびれができ強調できる。さらに胸を張る、お尻を突き出す、背筋を伸ばすこと。

<フレームチェック>
先ほどのまま。
<モデルさんへ配慮>
 上半身をひねってもらうのですが、足が動かないように注意。さらに胸を張っておしりを突き出してもらう。  体が硬いとかなり痛くなる。


 B手のポーズをつくる  B表情、かしげ、視線あり、なし、など頭部をつくる  C衣服のよれ、髪型の乱れを直して完成
     

<Check>
 足、上半身をロックした状態で、手、腕に動きをつけよう。これは腕を動かすことで、上半身の大きな筋肉が動きプロポーションに影響する。腰周りに手をやるのはくびれを強調するため。
ここまでくればほぼ完成。全体をとおしてもう一度見直しチェック。
<モデルさんへ配慮>
下半身、上半身ともロック状態にあるので、自らが目視で手の動きを確認するとは不可能。ここで動けばせっかく作ったポーズがパアになる。腕や手の力を抜いて、自然でしなやかに動きをつければ良い。

<Check>
 かしげを作る。どちらかにかしげるわけですが、どちらがしっくりくるかは両方すれば良い、あごの引き、あご上げ、視線のありなしでもうんと変わってきます。口びるは、「い」「う」「ん」の形が良い。
<モデルさんへ配慮>
 首の稼動域は小さいです。体をロックした状態で首だけを動かすには不可能な方向もあります。

 がんばって「かしげる」と「筋肉構造上無理なかしげ」をきちんと分かって指示すること。




 スタート  @足をつくる  A上半身、ウエスト周りをつくる
     

<Check>
 座りポーズを見ていきます。基本的には立ちも座りも同じところに視線をやり作っています。「Check」マークで表しています。

<フレームチェック>
 立ちポーズ同様、カメラマンはどこを見ているのかをCheckマークしてみました。


<モデルさんへ配慮>
 

 配慮点を書いています。モデルさんの視点に立つこともカメラマンの大切な役割です。
 またすべてのモデルさんが体が柔らかいわけではありませんので無理は厳禁です。

<Check>
<Check>
 
 つま先はカメラに向かってピンと伸ばすこと。足の軸を回転させ、内股にする。さらに足の甲が見えること。
<フレームチェック>
 隅につま先をきちんとフレーミングする。レンズ特性上四隅はひっぱられるので足長に写る。下着が見えないこと。
<モデルさんへ配慮>

 この足の形は足長写真の鉄則。実際にするとヒールがひっかかったりアキレス腱が伸びたりと、非常に苦痛を伴う。必要以上の無理は厳禁。ひざは必ず閉じる。

<Check>
 足を動かさないで、上半身をひねってもらう。ひねることでウエストを出すこと。
 この場合、前に上体を倒すことで胸を強調している。

<モデルさんへ配慮>
 座りながら上体を動かすには手でバランスをとる。
 手をついたりバランスをとったほうがポーズは自然になる。胸を張っておしりを突き出す。かなりキツイですが上半身ポーズの鉄則です。 


 B手のポーズをつくる  B表情、かしげ、視線あり、なし、など頭部をつくる  C衣服のよれ、髪型の乱れを直して完成
     

<Check>
 座りの場合、上半身を決めようとすると、手をつくなど自然にバランスをとることになる。それでもよいが、本当の本当は、「手を見る」という心理を利用する。胸に手をやるポーズは胸に視線を集める。顔に手をやる、足に手をやるも同じ

<モデルさんへ配慮>
下着が気になるポージングです。ですが、撮影意図を明確にし見えない角度で撮ると伝える。
 このポーズはとても可愛らしく、ちょっとセクシーな要素があります。

<Check>
 頭部はひとつ覚えで構いません。かしげ、視線、あごの引き、上げ、です。また、右向き顔、左向き顔は違います。それだけでもレパートリーが増えます。手のポーズが変わりましたが、微調整やちょっとした変更でも立派な1つのポーズです。
<モデルさんへ配慮>
 座った状態で猫背にならぬように常に背中に力を入れ、足をピーンとしていると芯から痛くなってきます。素早く撮って解除してあげましょう。

体をあれこれひねるわけですから、自ずと衣服は乱れます。どこがどうなってるのか、なおしても良いか、一言確認してからなおしましょう。その際も、ポーズ継続中であるので、素早く動くこと。ポーズのクズれなどから、モデルさん本人が直さないほうが良いでしょう。





POINT difference

ダメなポーズ例

これだけはやめて

一言でポージングと言ってもたくさんあります。
何が良いのかは、実際にやってみて判断することも多々あります。
そんな中、これだけは絶対にダメポーズがあります。
ダメポーズを知ることは良いポーズを見つける手助けになります。


猫背 下品

  老若男女問わず、立ち、座り、寝転び問わず猫背は美しいポーズの大敵です。常に背筋ピーンです。
 セクシーさを求めるあまり、過激になり下品になることも。セクシーさと下品さは紙一重。少しの乱れのほうがセクシーな場合は多いですよ。女性のおっぴろげは論外です


奇妙 隠しすぎ

  古いポーズです。未だ変わったポーズを要求するプロカメラマンはいないと思いますが、ナチュラルポーズが現在の主流です。
 
 これは意識しないとこうなります。写真を見る側が「見たい」という欲求を満たさないと女性ポートレートは失敗します。せめて男性カメラマンなら、何を撮れば良いのか分かりますよね。



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 あとがき
難しいポートレート撮影を簡単に解説しています。ではなぜポートレート撮影は難しいのでしょうか?それはたくさんの「知っている」ことを「たくさんつなげる」ことが必要だからです。つまり「ひとつのテクニック」で「プロ技ポートレート」になるようなウソは通用しないのです。
 

 ではほんとうに単一のテクニックだけでは通用しないのでしょうか。確かに背景を大きくボカすなどの際立ったテクニックがあります。それを「なんでもかんでも背景ボカシ」と言うことにします。
 では、有名グラビアカメラマンの写真作品をもう一度観察してみてください。「なんでもかんでも背景ボカシ」オンリーでしたか?答えは違いますよね。単一の技術を振りかざして撮影ギャラを頂いているわけではありません。

 
 「ひとつのテクニック」で「プロ技ポートレート」がいかにうそであることが分かります。
 冒頭で申し上げたとおり「知っている」ことを「たくさんつなげる」こと。これが結果としてよいポートレートとなります。




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